ずっと側にいるからね

　知らなかったのだが山田さんは元保育士さんとのことで、子供の相手なら任せてと言ってくれた。
　自分のケガのこともあり休職中の山田さんは、わが子とも会えず参っていたようで、私たちはこれからお互い助け合っていこうと誓い合った。

　そういえばあの時、なんであそこにハムスターがいるってわかったのと山田さんは聞いてきた。
　ハムスターの声が聞こえたからだと私が言うと、山田さんは驚いた顔をした。
　山田さんもあの日ハムスターの声を聞いたのだという。

「ハムスターさんの声なら僕も聞いたよ」
　眠っているはずの長男が後ろに立っていた。
　子供の前では話さないようにしていたのに失敗した。

「どこで聞いたの？」
　聞かれてしまったのはしょうがないので、私は何でもないことのように聞き返す。
　長男は二人が座るソファーの間に座った。