ずっと側にいるからね

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 映っていたのはお隣の卯月くんだった。  鍵を開けてくださいと頼まれて、私はエントランスのカギを開けた。  お母さんが寝ていて開けてくれないらしいが、上がってきた後はどうするのだろう。  私は心配になって様子を見に廊下に出た。  どうやら彼はどこの家の人も持っているカギでエントランスを開けるので、どの家の鍵も共通だと思っていたようだ。  家の鍵も開けてほしいと頼んできたので、それは出来ないのだと説明したが、いまいちわかっていない様子だった。  ほっておくわけにもいかず、私は卯月くんに家で待ってもらうことにした。  山田さんにメールを送り、迎えが来るのを待つことにした。  目が覚めたらきっと、すぐに迎えに来てくれるはずだ。  卯月くんは待っている間、長男の遊び相手になってくれた。  長男はかなり卯月くんが気に入ったようで、迎えが来ても卯月くんの洋服の裾をつかんで離さなかった。
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