ずっと側にいるからね

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「いい、これからはハムスターさんに呼ばれても行っちゃだめよ」  ハムスターさんはいい子だと思うけどなと長男は不満そうだ。  納得いかない様子だったが、お菓子で釣って約束させた。  家に閉じこもって数日、外に出ないので道に迷うこともない。  ネットで食べ物を注文し、包丁もガスも使わないようにした。  ケガをしそうなシーンもあったが、お互いを助け合ってなんとか乗り越えていた。  だが、いつまでもこんな生活を続けるわけにはいかない。  神社に行けないなら、ネットで相談できないだろうかと検索ワードを入れたとたん、ブレーカーが落ちた。  やはりお祓いをさせないつもりだと私はそう確信した。  せめて話がしたいと思い私たちはハムスターに語りかけ続けた。  今まで聞こえなかったハムスターの声がこちらが聞きたいと耳を傾けると聞こえるようになった。  どうやら話せる時間に限りがあるらしく、返事はぽつぽつしか帰ってこないが、何とか会話が成り立つようになってきた。
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