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☪✧*° うつらうつら 。˚✩。˚*✧☪
うつらうつらしていると娘を抱くようにして寝ている
私の背後に人の息遣いと気配がした。
その人が私の肩を抱くように包み込んで耳元で囁いた。
「あかりちゃん、どーした? どーして泣いてんの?」
長い人差し指が私の悲しみの詰まった涙を掬った。
◇ ◇ ◇ ◇
「はぁーーっ、今日も忙しくてさ、疲れたわぁ~~」
「でも、毎日家のこともあって大変なのにあやのことを
ひとりで頑張ってくれて家庭を守ってくれているあかりの
寝顔を見ると元気出るんだよ~~」
「あかりの泣き顔見ると俺も悲しくなるぅ~~~。
あかりちゃんが元気出ますように・・・・」
と言って会社から帰宅したであろう夫が、娘を抱くように
寝ている私の背後から私たちふたりを包み込むように抱きしめて
くれた。
そして私の髪をすいてくれる。
悲しくてやりきれなかった気持ちが、すーーっと落ち着き
心の中が幸せに満ちていく。
私は娘とうたた寝している内におそらくストレスからか
悲しい別ワールドを作り出し、夢で見ていたようだ。
いつもあかりちゃん、あやちゃんと呼んでくれるやさしい夫は
すぐ側に今日もいてくれた。
☪✧*°。☪ おしまい ☪✧*☪
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