第128話 未来へ続く

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 あたしがなんでおじいちゃんがいてもパンを作れるか、やっと理解出来たって。魔法のことも見てもらった時はめちゃくちゃ驚いてひっくり返ったわ。今も使えるけど……それは新商品を開発するときね。あたしよりお父さんの方がやる気満々なのよねぇ。今副店長になったあたしとも真剣に考えてくれるからいいけど。 (そうよ……副店長になったんだもん)  まだ就任したばかりだけど……ルーブルを引き継ぐのはあたしだって、認めてくれた証拠だと言ってくれた。弟の宙太(そらた)はちなみに駿に憧れたことで、逆に野球の道に進んで今は高校野球部で甲子園に出場するために練習に明け暮れている。駿も、ちょっとだけ指導しているそうよ。義弟になったから頼られるのも嬉しいって。  宙太が目指す道を決めたのなら、あたしはあたしでルーブルを続けていく道を歩むのみ。  美濃さんと一緒に歩んでいくパン屋を……次の世代に繋げていく道を走っていくんだ。  ちょうどあたしの前に来た美濃さんと目が合えば、二人で手を伸ばしてハイタッチした。 『パンでパンでポン』。  小学生の時に、本体であるままごとキッチンを展開する時に美濃さんと決めた合言葉。  流石に人前では出来ないけど……今日も今日とて相棒と作っていくんだ。最高に美味しいパンを!! 【終】
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