第1話 おねえちゃんだから

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 いつもは、学校の宿題やお店のお手伝いをしたら……ほめてくれるおかあさんが、宙太のことばっかり。  夜、一緒に寝てたのに……宙太が『よなき』って言うのをするから、おかあさんもだけどおとうさんも大変。  あたしも……うまく寝れない。でも、赤ちゃんには大事なんだって。  おねえちゃんだから、わかって。  この言葉も何回聞いたのかな?  それが……だんだん嫌になってきて。  多分……おかあさんが大変なことで、一緒に居られないのが嫌で。  宙太がちょっとだけ大きくなった頃には……もう『嫌』がダメだった。  あたしは……おかあさんにいつも言われる『おねえちゃんだから』に、ぷっつんってしちゃって。  言いたくないことを言っちゃって……お店から出て行ってしまった。  すぐに……反省したけど。 「……どうしよう」  走っていたら、おじいちゃん家の方まで来ていた。  おばあちゃんはいないから……お家の中かな?  あたしのお家は、お店以外に二つのお家があるの。おじいちゃん家とあたしのお家。にせたい? って言うんだっけ? そう言うお家。
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