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第2話 蔵の中で
「けっほ、けほ!」
蔵の中に入ったんだけど。
くちゃい、きたない。おじいちゃんとおばあちゃんが……ときどきおそうじしてるって聞いてたのに。
まだだったのかな? いやな時にきちゃった。
でも……おじいちゃんたちのお家に行く気にはなれなかったから、中に入ることにした。
まっくらで……じめじめしてる。
前におじいちゃんに教えてもらったけど、ここは光をあんまり入れちゃだめなんだって。しまっているものが、だめになるからなんだって。変なの。
「……おじゃま、します」
誰からも返事がないだろうけど。
いちおー、ここはお家とは違うところ。
だから……あいさつしたんだけど。
びっくりすることが起きた。
『お入り』
声が聞こえた!?
あたしじゃない……女の子? ううん、女の人の声。
びっくりして、開けておいた蔵の扉を閉めちゃった!?
まっくらがもっとまっくらになって……こわくなってきて、あたしは泣きたくなった!!
なにが起きたの!?
「……う……うっ!」
こわい。
こわい、こわい!!
おかあさん、こわいよ!!
あんなこと言っちゃったけど……やっぱり、おかあさんに助けてほしい。
おとうさんもだけど、おじいちゃんおばあちゃんよりも……おかあさんがすぐに出てきて。
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