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確かに美希のことは妄想していたけれど、イヤラシイ妄想なんて学校ではしない。それは、家に帰ってからのお楽しみだ。
「そりゃ、妄想くらいしたくなるよな。現実では手が届かないし」
「アルマゲドンが起きてもないだろうなぁ」
失礼な、とは思うけれど、現実問題としてコイツらの言うとおり、俺なんて美希にとって完全にアウトオブ眼中。
千葉美希、顔立ちやスタイルはモデルや女優レベル、成績は今や学年トップ、まさに才色兼備、おまけにスポーツ万能、友達思いでやさしさ満点、まさにパーフェクトな女性だ。
それに比べて俺ときたら、顔立ちは平凡、スタイルも平凡、成績はもう抜かれることもないくらいのポジションが定着している。スポーツは、球技のセンスを母親のお腹の中に忘れてきたのではないかと思うほど壊滅的だ。性格は……悪くはないと思うけれど、基本的に努力は大嫌いだ。
それに比べて美希はすごい。去年も同じクラスだったからよく知っているが、去年はそこまで成績のいい方ではなかった。ところが、三年生にあがった頃から急激に成績が上がったのだ。噂で聞くところによると、行きたい大学ができたらしく、そのために猛勉強を始めたそうだ。
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