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「ということで、どうしたらいいと思う?」
「とりあえず分かったことは、俺と公平はテレパシーは使えないということだ」
「なんだそれ?」
「それはこっちのセリフだ。いきなり、というわけで、と言われても公平の頭の中は俺にはわからん」
「使えねぇな」
「それが、相談があるからどんな用事を蹴ってでもきてくれ、と頼んできたやつの態度か」
「すいません、全身で反省しています」
俺は友だちの肩に手をつき、往年の人気者だった猿のように首をたれた。
「分かったならよろしい。で?」
「今日の席替えで奇跡が起きた」
「千葉美希が隣になったことか」
「それ以外になにがある? 俺はこの奇跡を大切にしたい。どうすれば、美希と付き合える?」
「宝くじで五億円当てて、全額渡す」
「歩いていて、頭に隕石が当たるより確率低いって聞いたことがある」
「というくらい、無理だということだ。もう一回、奇跡でも起きない限りな」
奇跡がそう何度も起きてたまるか。くそう、やっぱり俺には無理なのか。美希とはこの先も妄想の中でしか付き合えないのか。
と半分諦めた俺に二度目の奇跡が起きた……。
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