あの日海岸で凍えながら語り合った君へ

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 ──あの日、海岸で凍えながら語り合った君は元気にしているのだろうか。今どこで何をしているのだろうか。  歩くだけで容赦なく砂が入ってくる。革靴を履いているからか、靴の中で足が滑り捻挫しそうだ。それでも俺は空を仰ぎ、波の音を聞き、風に吹かれながら冬の砂浜を歩いた。  クリスマスイヴの今日、休暇をとり帰省した俺は、地元の海岸を一人で歩いていた。  
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