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「じゃあ、貰うわ」
アオイ君が小さい声で言った。
「うん!授業終わったら渡すね!」
やった!やっと渡せる。ヤバいニヤけてしまう。おにぎり作ってきてよかった!
「で、何て言ったんだっけ?」
あ、そうだった。意見をまとめなきゃね。
その授業が終わるとアオイ君におにぎりを渡した。
具は梅干し。
おにぎりといえばやっぱ基本は梅干しだよね。
おにぎりを受け取ったアオイ君は大きな口でパクリと食べた。
そして一度固まった。
あれ?タネは抜いてあるはずだけど。
「アオイ君?」
アオイ君はまたすぐに食べ始めておにぎりはあっという間に消えた。
「ありがと。これなら3個は食えるわ。」
もぐもぐしながら言った顔が可愛かった。
「もしよければこれからも作ってこようか?私いつも自分でお弁当作ってるの。料理が好きで…。」
これは本当。
お母さんが夜勤もある人だから、家族のお弁当も私が作っていた。
「いーの?」
「うん!ついでだもん平気平気!」
「じゃあ、頼むわ…」
アオイ君は頭をかきながら言った。
「いーよ!あ、なんか苦手な具とかある?」
「ない。なんでも食べれる。」
「よかった!じゃあ明日から作ってくるね!」
そう言ってから、私の頭はもうおにぎりのことでいっぱいだった。
具は何にしよう。男子はお肉好きだよね。焼肉とかでもいいかも。お腹にも溜まるし。
「3個は食える」なんて言ってたけどお弁当もあるし、さすがに3個じゃ多いから2個にしよう。
考えるだけで楽しかった。
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