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放課後の教室で、アオイ君と二人プリントをホチキスで留めていく。
何人かいた生徒もそのうち居なくなり、ついに私たち以外誰も居なくなった。
…気まず。
早く終わらせて帰ろう。
プリントを3枚集めてストンと立てて整えて、
ホチキスをカシャンと打つ。
ストン…カシャン
ストン…カシャン
静かな教室で二人が作業する音だけが響いていた。
すると、アオイ君がホチキスとプリントを置いた。
え、なに?
不思議に思いながらも敢えてそのまま作業を続けた。
「…ねぇ」
その声に顔を上げると、アオイ君はじっとこっちを見ていた。
「なんで最近おにぎり作ってくれないの?」
「…それは、作るの忘れちゃって…」
「忘れるわけなくない?」
そうだよね、今まで作っていたのに急に忘れるのちょっと無理があるよね。
この際、ちゃんと謝ろうと、正直に話した。
「だって、気持ち悪いでしょ?他人が作ったおにぎり食べるの。私そういうの全然気づかなくて…。無理させてたのかなって、」
「……あぁ、奥野の、あれか。」
私がなぜそう思ったのか、アオイ君も気づいたようだ。
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