望み通りの水魔法

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 おやおや、人間が、今さら私に何の用だい? 雨が上がった? だから何さ。え? 雨が地面から空へ、下から上にのぼってるって?  ふうん、で、この私に助けてほしいと。面白いねぇ、それを雨と呼ぶだなんて。地中の水分が上空へと吸い出されているだけだというのに。もちろん海も川も全て空へ、だ。  あっという間に土は干からびて、あんたらはゆっくりと死に至る。  急いで雨を降らせてくれって? はは、なるほどね。  たしかに水の魔女である私がひとこと唱えれば、その雨を上から下に降らせることは簡単だけどね。そこまで分かっていて何故分からない? 人間は本当に愚かだね。  雨が上がる。そんな芸当、この私以外に誰ができると思っているんだぃ?  ああ待て、逃げなくても良い。お前の望みはすぐに叶えてやるから。  地球から吸い上げた水分を一気に落とす。良いアイデアじゃないか。ありがとねぇ。  たしかに、そのほうが早く人間を一掃できそうだ。  何百年も私に不敬を働き続けた人間をね。  『雨よ降れ』 はい、おしまい。
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