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翌日、いつも通り翔也と並んで登校する。この時だけは恋人気分を満喫できる。例え翔也にその気が無くても私には大切な時間だ。
「美羅~!おっはよ~!」
背中をバシッと叩くのは親友の新庄茉李だ。ショートボブには相変わらず向日葵のヘアアクセが留められている。
「翔也先輩もおはようございます!」
「おはよう茉李ちゃん。今日も元気だね?」
「はい!それが取り柄なんで!」
笑い合う二人を見ていると胸が痛くなる。翔也が私以外の女子と話すだけで息苦しくなってしまう。
「先に行くぞ美羅。お前は茉李ちゃんと行けばいいだろ?」
「ちょっと!何勝手に……」
「はーい!翔也先輩!」
翔也に手を振って茉李は私に腕を絡めた。翔也との時間を邪魔された私が不機嫌になったのは言わすもがなだ。
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