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「お兄ちゃん!?」
放課後。三年生の教室に殴り込み、翔也を呼ぶ。もう頭は告白の返事の事でいっぱいだ。理性の欠片も無い。
「何だよ美羅?恥ずいから大声出すなよな? 」
「ちょっと来て!」
「な、何だよ?」
「いいから来て!」
私は翔也の腕を掴むと力いっぱい教室から引摺り出した。
西階段の踊り場に人気は無く、私はつま先立ちで翔也の胸ぐらをグイッと引き寄せる。
「何だいきなり?怒ってんのか?」
「めちゃくちゃ怒ってる」
多分、今の私は鬼の形相だ。翔也には可愛い私だけを見て欲しいのに、感情の昂りは止まらない。
「何でだよ?俺何かしたか?」
「何って……告白されたんでしょ!?一年の可愛い子に!」
告白した子の名前が思い出せない。それほど頭の中は真っ暗だった。
「ああ、井沢さんか。されたよ?告白」
本当に告白だったんだ!?あまりのショックで目眩がする。このまま倒れてしまいたい。そして告白が夢オチだったらどんなに良いか……。
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