2. 緊張

1/4

23人が本棚に入れています
本棚に追加
/136ページ

2. 緊張

今日の彼女は前とは違って明るい。 逆にこちらはぎこちない、なぜか不自然な 敬語が恥ずかしかった。 「今お仕事中ですよね、  大丈夫なんでしょうか?」 「大丈夫ですよ、今の時間はあまり  お客様は来られませんし、  ほとんどが常連さんなので…」 「それと今はお昼の時間ですしね」と 「そうなんですか?」 といいながらも 全然緊張がとけてはなかった。 この前はちゃんとたのしく出来ていたのに... これじゃ美佳さんに嫌われてしまうじゃないか. ヤバイんじゃない?と焦るだけで 話せば、話すだけ空回りしていた。 リアルに声が聞こえていると彼女が 目の前に居ると思い錯覚して 緊張をするのだろうか? 勝手に身近な存在に 感じてしまっているのだろうか? それとも、すでに次は会えるのかな なんて期待をしてしまってるのだろうか? いや、俺はまだそこまで勘違いする バカではないはず。 とにかく早く自然にしゃべらなければ つまらない男と嫌われてしまい 次は無いなって感じていたのは確かだった。
/136ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加