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エリスの答えにレイヴァンが頭を抱えればどこに潜んでいたというのか。ギルが姿を現して面白がってレイヴァンに言った。
「俺もついて行こうか」
「お前は仕事がたまっているだろう」
溜息交じりにレイヴァンが言えばギルは、肩をすくめて見せた。
「ご安心なされよ、正騎士殿。仕事はレジーと分担して行っている」
「レジーに“仕事を押しつけている”の間違いじゃあないのか」
レイヴァンの言葉にギルは、表情が引きつる。図星であったらしい。ギルは分が悪いとふんで、その場を後にする。その後ろ姿を眺めつつ、レイヴァンはエリスに仕事は大丈夫か、と問いかければエリスは「大丈夫です」と答えたのでエリスと共に城下町へ降りることになった。
城下町へ降りれば、家屋はボロボロであるがコーラル国に支配されていた頃を思うとずいぶんと良くなっていた。人々にもだいぶ笑顔が戻っていたし、何より“ある少女”が復興の手助けをするからで――
「ふう!」
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