ペルセウスは限りなく遠い所にある星を探し求める

10/18
前へ
/63ページ
次へ
ドヤ顔で言われ、つけ麺の店からさほど離れていない店に辿り着いた またラーメン屋… でもさっきの店と比較すると並びはなく、すんなり入店する 「ここ本店は板橋にあるんだけどさ、激辛ラーメンが人気で! ほら、コンビニにもこの店のカップ麺や冷食があるだろ!?」 あー、見た事あるな その実店舗だったのか 「辛いの苦手だったり、初心者は野菜タンメンおすすめだぞ」 と、中目黒さんに勧められた野菜タンメンを食券で買う 縦長の入り口を抜けるとテーブルフロア、左側にカウンターがあった 「…ラーメン、お好きなんですね?」 ラーメンを待つ間、愛好家としか思えない単語と言うのか、言語がさっきから飛び出してきていたし、ラーメン屋しか巡っていないので、薄々感じていた事を言う 「うん! 大好き!」 満面の笑顔でそんな事を言うもんだから… 思わず笑った 「なんだよ? 何かおかしかったか?」 「っはは… いや… ラーメン、好きなんだなって」 「え…? そうだけど」 「うん いいと、思います」 「え…? どう言う事?」 「いえ、別に」 「後は、携帯禁止の牛丼屋の近くに淡麗系ラーメンと、パソコン屋の近くに九州ラーメンと、後は、電気屋の裏道にインスパイア系と… でもその前に、新宿の、さっきの魚介豚骨系リベンジしようぜ!」 「そうですね、また次も行きましょう…」 ラーメンを食べ終えたばかりなのに、次に食べたいラーメンの話をする中目黒さんに驚きながら、水を飲んで一息ついていると、中目黒さんが言った 「食後に甘い物食べたいなあ…」 え… まだ食べるの…? と言うか、食べられるのか? 僕は結構きてるけど… 「ファミレス今何のフェアやってるんだろ?調べてみよ」 行く気満々… 結局ファミレスに行って、中目黒さんはパフェを頼み、僕はドリンクバーを頼んだ 幸せそうに、パフェを頬張る中目黒さん …なんか 無邪気な子供みたいだ 「美味しいですか…?」 「んまい!」 暫くそんな中目黒さんを眺めていたら、何故かそっとパフェを前に差し出された 「そんなじっと見て… パフェ食べたいなら、食べてもいいぞ?」 いや、僕は食いしん坊か 帰りの電車 中目黒さんの付き添いだったのに なんだかんだ… 東京観光を楽しんでしまったな… なんて、隣で寝ている中目黒さんを見ながら振り返る でも 女の人と、こうして二人きりで出かけたのは初めてで… 世の中の恋人たちは こう言う事をしたりして楽しんでいるのかな、なんて 人と付き合ったことはないけど 周りのカップルみたいな人が経験するだろう、そんな事が… 少し理解出来た気がした
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加