ペルセウスは限りなく遠い所にある星を探し求める

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その週末の土曜日 僕は何故か、中目黒さんと、新宿のとある男性向けセレクトショップに向かう為に駅にいた 何故か、の理由は面倒なのでみなまで説明はしない 「はよー、白楽」 現れた中目黒さんは、オーバーサイズの黒いパーカーにダメージデニムのショーパン、黒いブーツと言うボーイッシュな出立ち イベント会場で中目黒さんと会った時に、ぼんやりとしたシルエットだったけど、一瞬私服は見ていたし 学校ではジャージしか履いていないし まあ 何となくイメージ通り が… 首や耳、腕にはシルバーのドクロや十字架や、なんかトゲトゲした痛そうなアクセサリーをジャラジャラつけていて 左右違うド派手な原色のニーハイを履き、網タイツを重ねていて、しかもその網タイツも、所々、おそらくわざと穴を広げ、アバンギャルドな雰囲気を醸し出していて 全体的に、パンクファッションだった なんだその恰好 今時… そんなごりごりのパンクファッションする女の人…中々見ないぞ… これからライブでもあるんか? 「じゃ、いこうぜ!」 「あ…はい…」 東京方面行きの電車に乗って、湘南新宿ラインに乗り換え、新宿に着いた このセレクトショップは比較的に、土地柄…と言うのか、ナイトワークの方向けの、スタイリッシュで洗練されたデザインのスーツの取り扱いが多い サラリーマンが着るようなスーツよりかは、細身に作られていて、また生地や装飾品も華やかなものが使われているので、イベントなどの舞台では映える衣装が揃っている 「このスーツとかどうだろうか!」 「一回試着してみては?」 「そうだな!そうだな!」 中目黒さんは、終始テンション高めでスーツを選んでいた 中目黒さんは異性装に抵抗なく…なんなら楽しそうにしている 性自認は女性の様だけど 私服もボーイッシュだし 学校でも…スカートじゃなくてジャージ履いてるくらいだし… 異性装に対して、自身も抵抗がないって事なのかな…? 「どうだ!?」 試着室から出て来た、スーツを着た中目黒さんは… 「いいと…思います」 髪型が前下がりボブで、方サイドだけ刈り上げているというパンキッシュスタイルだからか、スーツ姿も、まあ男性っぽく見えた 「新様もいいって 思ってくれるかな!?」 「まあ… お相手のご趣味がわかりませんけど… そう言ってくれたらいいですね」 「おう! じゃあこれにしよう!」 「後は、裾と袖を少し詰めてもらった方がいいですね 長いので、スーツだとだらしなく見えます」 「おー、そうだな 歩きにくいし、そうしよう」
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