春に触れる。

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地面に座って体を屈めながらわたしらはラーメンを啜った。 「ラーメンやったらあるから今日の晩飯ここで食って行けや」 そうシュンが言ってくれたのは2時間ほど前、まだ空が明るい時やった。 今となればカーテンの向こうは真っ暗で、きっとブラジルではアラームがなってるんちゃう。 私のポケットはプックリと膨らんでいる。 それはタバコのせいやった。 わたしは今日罪を犯してしまった。 それはすごい悲しくて、 でも、シュンと一緒に風を切って走った、それは少し心地よかった。
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