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「は? 売られたってどういうことだよ」
心の中で会話することも忘れて声に出した私に、永遠は眉を寄せていぶかしむ。
倉橋さんも部屋を出ていこうとするのを止めて、春花さんはだまって成り行きを見つつ緊張した顔をしてた。
そんな中、フッと頭の中に映像が流れる。
見ている景色は多分さっき見た店舗内。
視点の場所がショーケースっぽいから、きっとインペリアルトパーズの見た光景なんだと思う。
インペリアルトパーズはなにか嫌な気配のする石と一緒にショーケースから出されてお客さんの前に出された。
「っ! え?」
見えたものにドクンと心臓がはねる。
嫌な予感にドクドクって鼓動が早まった。
なにか話しながら色んな宝石のついた装飾品を見ている女の人。
連れの子と楽し気に買うジュエリーを選んでる。
そして、彼女たちが選んだのは呪いがかかってる嫌な気配がしたブラックダイヤモンド。
そのまま買われて行ってしまった。
「ウソ、でしょ?」
「要芽? どうした? 顔色良くないぞ?」
私の顔を見て、心配そうに近づいて来る永遠。
私はどうすればいいのかわからなくて、すがるように永遠を見た。
「どうしよう……ディコルに憑かれたブラックダイヤモンドを買ったの、柚乃のお母さんだ!」
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