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「恵介バカだね」
「万依の血で踊り場の床は濡れてたのよ
それを踏むと思う？」
「それと万依が倒れて階段をふさいでたと思う
だから犯人はもう一度上に行ったの」
「4階だと人に見られるかもしれないから
見られないと思う5階まで行って出たの」
「けど外からだと開かないんだろ？」
「そこなの」
「私は見つけたの…ドアの鍵のところに
着いてたネバネバしたものをね」
「ピアスを見つけた時にね」
「多分テープか何かで穴を塞いで
オートで鍵がしまらないようにしてたのよ」
「外からも開けれるようにね」
「5階は誰も使ってないのを知っていたから
前から細工してたのよ」
「それで済んだ後に外から開けて
テープを外してフロアに戻ったんだよ」
「それとピアスとどう結びつくんだよ」
「たまたま落ちてたのかもしれないぞ」
「恵介よく見て」
「ピアスのポスト、針の事ね
そのポストの先端にうっすら
血みたいなのが付いてるの」
「多分、万依が倒れる時に引っ掻いて
キャッチが外れてしまい
抜けそうになってたピアスが、
5階でなにかの拍子に落ちたんだと思う」
「キャッチって？」
「何にも知らなないのね」
「おじさんだからね」
「ホール••耳の穴ね、ホールから
ピアスが抜けないようにポストを
留めてる金具のこと」
「ポストでどこかを引っ掻いてるはず」
「病室に入って万依の手とか見れたら
はっきりするんだけど」
「へぇ、すごい推理だね、けどちょと
推理が強引じゃねぇか？」
出会ってまだ2時間だというのに
こんな怪しい事故のことを話しをしている事
自体、不思議な感じがした。
ほんとうにレイナの言う通り事件かもしれない。
だとしたら、誰が何の為に
万依を突き落としたんだ？
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