【5】おじさん好きな枯れ専女子

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ICUから出てきて たしかにありましたよ 5ミリぐらいの長さの傷が うっすら血が出た跡も  「ありがとうございます」  それと  面会に来た人はナースステーション  の受け付けノートに名前を書きますよね はい必ず書いてもらっています 書いて頂かないと面会できませんから  そうよね私たちも書いたからね  わかりました、ありがとうございます 「ありがとうございました」 「またお店来て下さいね」 「それじゃ退室時間を  書いて帰りましょ、お父さん」 「恵介、カメラ用意して」 「なにするんだよ」 「ノートを撮って!」 「私が書いてるふりしてる時に」 「いい撮った?」 「めくるよ、次、次だね」 「OK」 「それじゃ行こう」 「行こうお父さん」 「待て待てよ」 走ってはいけませんよ〜 二人は小走りでエレベーターに乗り 「恵介ほらねやっぱ  キズがあったんだよ」 「でそしたら誰が何の為にかだよな」 「それと面会ノートは?」 「このピアスの持ち主は誰のかは  なんとなくわかってるの」 「確信はないけどね」   「その人が来てるかを調べるの」 「だって万依の様子が知りたいでょ」 「意識がもどったら自分だってバレるのよ」 「後ろから突き落してたとしても  もしも見られてたら…と不安なはず」 「何かの方法で次のことを考えるから  だから見に来てると思う」 「本当の名前を書いてたらいいけどね」 「その時はわたしの知らない人の  名前が怪しい」  その時は筆跡か……
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