【2】17歳と38歳

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「おじさん」 「ねぇおじさん」 横のベンチに座った女子高生 たぶん制服を着ているから高校生だろう… こんな時間に公園にいる奴なんか 俺みたいなリストラ親父か 不良のガキにきまっている。 こういうのは無視に限る 「ねぇてば、聞こえてるでしょ」 「シカトするの⁈」 (そう、シカト) 「聞こえないのかなぁ?」 「仕方ないなぁ〜」 「キャー! 助けて〜」 「キャー!この人変なんです〜」 「いっ!何言ってるんだよ」 「黙れ!黙れ!」 周りのみんなはこっちをみて なんだ、という顔 俺は手を振りながら 私は何もしてませんとアピールしていた。 「無実です〜」 大きく手を振っていた。 「お前は何言ってんだよ」 「オッケー、しゃべれるじゃん」 「おじさん一人でブツブツ言って  本当に変な人だったよ」 「ほっとけよ」 「子供には関係ないの」 「お前こそ、こんな時間に公園で  何してるんだよ」 「コスプレじゃないなら」 「それは制服ではないでしょ~か?」 「おじさんもっと普通に、喋れない?」 「キっーいらつく!」 「お前としゃべりたくないから  こんなしゃべり方になるの」 「もっと丸くならないとダメだよ」 「ハイ!ハイ!ごもっともです」 「それで、私に声を掛けて頂いたのは  どの様なご用件でしょうか?」 「おじさんむかつく!  何、そのバカにした喋り方?」 「いっー‼︎ もういい」 「だから、なんなの?」 「いや、ヒマだからさ遊びにいかない?」 はぁ? 「俺はヒマじゃない」 「会社クビになったんでしょ?」 「聞いてたのかよ」 「遊びに連れてってよ」 「こんな時間に制服着た女子高生と  歩いてたらほんとにやばい奴だろうよ」 「パパ活じゃねえかよ」 「ほんでもって捕まっちゃうじゃねえか」 「行かないよ!」 「お前こそなんで学校いかないんだよ」 「だって色々あって行きたくたいの」 「イジメか?」 「まぁ、それだけじゃないけどね…」 「けど、  どうやってサボってるんだよ?」 「風邪とかの仮病とかが多いかな」 「けど、そろそろ親から連絡しないと  ばれちゃうの」 「そりゃそうだろ長い事休んでんのか?  親は知らないんだろうな」 「学校いやならやめちゃえば」 「自分から辞めるのは親が許してくれない」 「おじさんみたいにクビになったら  いいけどね」 「やかましゎ」 「おじさんお願いがあるんだぁ」 「なんだよ、その前におじさんはやめろよ  名前で呼べ」 「なんていうの?」 「笹野恵介(ささのけいすけ)様だぁ」 「さんて呼べ」 「わかった
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