第2話 手芸店『いやし』

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「はい、さようなら」  そして、みんなのあいさつをキチンと聞いた先生が笑顔であいさつをすると……。 「さようならー」 「あ、待ってよ!」  そのまま授業が終わってすぐに帰る準備を終えていた半分くらいの子がランドセルを担いですぐに教室を飛び出した――。 ◆   ◆   ◆   ◆   ◆ 「……」  ――みんながあいさつと同時に教室を出ていくの……お昼とあんまり変わらない。  帰りの場合はあいさつだけど、お昼休みの場合は少し違う。でも、この光景を見ていると、思わず笑いそうになる。 「ねぇねぇ、これからどうする?」 「今日塾なんだー」  そうこうしていると、あっという間に教室にいるのは私以外に二、三人くらいしかいなくなっていた。 「……ふぅ」  しかも、その内の二人は日直。  ――あんまり長く残っていると、日直の人のめいわくになっちゃうから……。  きっと日直の人たちも早く帰りたいのに私が残っていてそうじなどが出来ずに帰るのが遅くなるのは良くない。 「さっさと帰らないと……」
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