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「……うん」
さっきまで一人静かに本を読んでいる子も話しかけられてうれしそうに答える……のを見ながら私は一人チクチクとぬい物をしているけれど、私に声をかける子はいない。
「……」
この光景を見ての通り「友達」と呼べる子はいない。
五年生になって「クラス替え」というモノがあり、去年まで一緒だった仲の良い子たちとはクラスが離れてしまった。
元々私は三年生の時にこの学校に転校して来た。
だけど、どうやら「クラス替え」は二年に一回あるみたいで、ちょうど私が転校してきたタイミングも「クラス替え」があった数日後だったらしいの。
だから……なのかは分からないけれど、タイミングが良かったのかその時は何とか上手く入り込めたと思う。
でも、今回の「クラス替え」は前回とは違ってなかなか上手くいかない。
しかも、運が悪い事にどうやら私のクラスの女の子たちはみんな塾やクラブ活動ですでに自分たちで仲のいいグループが出来ていたみたい。
そんなすでに出来上がっている仲の良いグループに入りに行くのは……なかなか難しい。
だって……みんなの楽しいふんいきをこわしたくない。せっかくみんな楽しそうに話していたのに……自分が入った事によってその良いふんいきがこわれてしまうのがイヤだ。
それに「人」ではないけれど、私には「友達」の「彼ら」がいるから「さみしくはない」と言いたいところだけど……でも、実はやっぱり少しさみしい。
「……」
そんな事を考えていると、突然「キャー!!」という悲鳴が外から聞こえてきた。
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