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「??」
私はその「悲鳴」がした方が見ると……。
「あ」
転校して来たばかりのころは驚いていたけれど、二年も経つとさすがに「ああ、彼ね」と慣れる。
「今日も元気ね」
そこには女の子たちが何人か集まっているのだけれど、どうやらさっきの悲鳴はその子たちのモノだったらしい。
そして、その子たちの目的は『ある男の子の応援』らしく、今。外では男の子たちがサッカーをしている真っ最中らしい。
「池里くーん!!」
たった今「池里」と呼ばれた男の子はチラッと女の子たちの方を見た……様に感じたけれど、すぐに視線を戻した。
私は「名前を呼ばれたのに気が付いたのなら手くらい振ってもいいのに……」なんて思ってしまう。
でも、女の子たちにとっては「自分たちの方を見てくれた」のがうれしかったのか「キャー!!」と隣にいる女の子たちの手を取り合ってまたさけんでいる。
「……」
転校したばかりのころはこの光景に驚いていたけれど、その時の同じクラスだった子から『池里タクミ』という子を教えてもらった。
でも、一度も話した事なければ名前と「晴れた日の昼休みにサッカーをしている」という事以外何も知らない。
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