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数時間後仁川空港に到着し
入国審査が済むと
文也が個人タクシーを前もって
手配してくれていた
コピーライターでもあり
プランナーの藤子は彼の無駄のなさに感心してしまった
今回の旅行は藤子が文也の肌施術の
クリニックを予約してくれるお礼に
後のプランはすべて自分にまかせてほしいとの
ことだった
彼は手荷物受け渡しゲートから
すかさず藤子のスーツケースを受け取り
なんでもないかのように楽々と引きずって行く
反対の肩には自分のボストンバックと
藤子のトートバックをダブルで肩にかけ
ずんずんタクシー乗り場に歩いて行く
なので藤子が今持っている手荷物は機内でもらった
ペットボトルだけだ
なんでも一人でこなす癖がつている藤子は
自分がこんなにお姫様扱いされたのは
初めてなので戸惑い
そして心は終始甘くときめいた
スーツケースを引きずる腕の筋肉が際立って
こんな部分でもどうしようもなく
ときめいてしまう
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