chapter7 渚のバルコニーで待ってて

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数時間後仁川空港(インチョンくうこう)に到着し 入国審査が済むと 文也が個人タクシーを前もって 手配してくれていた コピーライターでもあり プランナーの藤子は彼の無駄のなさに感心してしまった 今回の旅行は藤子が文也の肌施術の クリニックを予約してくれるお礼に 後のプランはすべて自分にまかせてほしいとの ことだった   彼は手荷物受け渡しゲートから すかさず藤子のスーツケースを受け取り なんでもないかのように楽々と引きずって行く 反対の肩には自分のボストンバックと 藤子のトートバックをダブルで肩にかけ ずんずんタクシー乗り場に歩いて行く なので藤子が今持っている手荷物は機内でもらった ペットボトルだけだ なんでも一人でこなす癖がつている藤子は 自分がこんなにお姫様扱いされたのは 初めてなので戸惑い そして心は終始甘くときめいた スーツケースを引きずる腕の筋肉が際立って こんな部分でもどうしようもなく ときめいてしまう
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