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風呂から上がると、亮雅はソファーに座ってテーブルにあった飯をつまんでいた。
と言ってもあるのはポテトや唐揚げなどの簡単につまめるものだけだが。
「もうすぐ来るってよ」
「あ?」
髪を乾かすのが面倒でそのまま出てきたが、雫が垂れてきて鬱陶しい。
いい加減、髪を切るか?とも思うが、やはりあの親父の苦虫を噛み潰したような顔を見てやりたいとも思う。
時計に目をやればそろそろ二十一時になるところだった。
確かに小腹は空いた気がして俺も亮雅の背後から手を伸ばす。
「つっめてぇ」
ソーセージを手にした時に雫が垂れたらしく、振り返った亮雅は俺の肩にあったタオルを引き抜いて立ち上がった。
俺もそれを見てソファーの背を跨いで座る。
女たちとヤった後の気怠いこの時間、亮雅にタオルドライを任せることはもう当たり前になっていたが……それがいつからかは思い出せなかった。
ドライヤーを用意して乾かされるのをそのままソーセージを咥えながら大人しく受け入れる。
目を閉じていると眠くなりそうなほど心地よくて、でも、それには堪えて温風が止むと同時に目を開けた。
のそりと立ち上がってパンツを拾う。
スラックスも穿くとコンコンとドアをノックするのが聞こえた。
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