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葉一郎さんにお礼を言って、彼を捜す。彼にもさっきの葉一郎さんの話をしよう。きっと喜ぶ。
そんなことを考えていたら、お父様に声をかけられた。
「楓」
私は彼のこともあって、思わず戦闘態勢に入りかけたけど、さっきの葉一郎さんの話を聞いて、思い直した。一方的にお父様のことを怒るのは、ちょっと抵抗感が出てきた。
「……何でしょう?」
「あのAIのことだ」
来た。
でも、お父様に何を言われたって、絶対に譲ってはいけないわ。
「はい、何ですか?」
「あれは先ほどクビにした」
……は? ク、ビ?
「え、ちょっと待ってください。そんな勝手に!」
「あれも了承した」
は?
そんな、彼が、まさか。
「何で……」
「お前と親しくするなと言っておいたのに、言いつけを守らなかったのが悪い」
前言撤回。横暴にもほどがある。
「認めません、私は!」
「お前がどう思おうが、もう決まったことだ。諦めろ」
私はすぐにその場から走り去ろうとした。
「おい、どこに行く!」
私はもうお父様の顔を見られなくなった。
「……もし彼がこのまま出ていくのなら、私も、この家を出ていきます」
「な! そんなこと!」
私はお父様の言葉を無視して彼を捜しにいった。
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