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その夜、私は的場に抱かれた。
行為を終えた彼は、私を優しく抱きしめた。
「俺たち付き合わないか?」
それは私が何年も待ち続けた言葉だった。
「まさか、本気で好きだと思ってた?」
「え?」
「まだ気づかないんだ。顔も違うし仕方ないか。」
「知英?」
「じゃあ、ヒント!高校一年生の時、あなたが罰ゲームで告白した女の子は?」
「まさか...」
「あんたのせいで、顔まで変えたわ。でも、弄んだ相手に本気になるなんてね。」
私はベッドに座り込み、頭を抱えている的場を見下しながら言った。
「いいざまね。その相手を抱いて、告白までするなんて。」
「それは...」
「今更、無かったことにしないよね?」
私の言葉に的場は、顔を引き攣らせた。
そんな彼の顎を持ち上げて、私は告げた。
「これからも、よろしくね。」
私は的場に微笑んだ。
もう逃がさない。
あなたがしたように、愛したフリして、捨ててあげる。
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