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「この前、さりげなく指輪のサイズ聞かれちゃって……。これってもしかしてプロポーズの準備ってやつですよね?」
みんな幸せそうに笑っている。その笑みを見ていると、桃華は快斗のことを思い出してしまいまたモヤモヤとした気持ちが膨らんでいく。
(今頃、別の女の子と会ってたらどうしよう……)
そんなことを考えながら人の話に相槌を打っていると、「桃華ちゃんは彼氏とどうなの?」と訊かれ、全員の視線が桃華に集中する。
「えっと……」
彼氏の浮気を疑っています、とは言えないため桃華は何と答えるべきか迷ってしまう。その時、スマホに通知が届いた。メッセージが送られてきている。
「あっ、快斗くんって桃華ちゃんの彼氏でしょ?しかもお泊まりのお誘いじゃん!」
桃華の隣に座っていた女性が、スマホに映し出された名前とメッセージを見てまるで自分のことのようにはしゃぐ。それに釣られるように他の人も「いいな〜、お泊まり!」と口々に言い始め、桃華は笑みを作り、「嬉しいです」と返す。
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