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始めての夜
ホテルへ着くと光輔は慣れた感じでフロントを通り過ぎエレベータのボタンを押した。
待たずにエレベータが到着するとすぐに乗り込み、カードをかざすと降りる階のボタンを押す。
何やっても慣れてる感じがして、それが気になって仕方がない………
部屋に到着するとすぐに疑問をぶつけてみた。
「光輔ってなんでも慣れてるんだね」
「ここはうちのホテルだからな、慣れてるもなにも………待て!慣れてるってどうゆ意味で言った?」
「どうゆう意味って、そうゆう意味だけど」
「乙哉は俺がいろんな奴をホテルに連れ込んでるとでも思ってるのか?」
「そうじゃないの?この前の料亭も慣れてたしエスコートの仕方だって………」
「乙哉!よく聞けよ。俺はお前意外こんな豪華なホテルは使ったことがないし、あの料亭だって大事な接待でしか行ったことは無い、プライベートで連れて行ったのはお前だけだ」
「そうなんだ………ごめん」
「それより、あの兎はどこで拾ったか言ってなかったよな」
「………どこで拾った?」
「バーだ」
「バー?」
「そうだ、覚えてないか?入口でぶつかったの?」
「アッ!」
「ぶつかった人って光輔?」
「そうだ」
「僕のこと知ってたの?」
「知るか!あの後ストラップを拾ってお前を追いかけた・・・・・お前の事が気になって、どこの誰だか必死で調べたんだ。
そしたら偶然あのギャラリーで作品を出してるってわかって、急いでメールを送った。
お前こそあの店で何してたんだ。慌てて出て行ったようだが………まさか男を探してたんじゃないだろうな」
「探してたよ。でも一人でいたたまれなくなって………帰るとこだったんだ。光輔こそあの店に来たってことは………そう言う目的?」
「俺は………知り合いの店だから行っただけで、男を探してたわけじゃない」
「そう!あの店の常連?」
「違うって………もう行かない。だからお前も行くな」
「分かった、もう行かない」
「光輔………俺と光輔って恋人?それとも………」
「それとも何?」
「………どうゆう関係になるの?」
「お前はどうなんだ」
「僕は好きな人とは本気で付き合いたい方だけど、光輔は相手が沢山いそうだから、僕もその中の一人なの?………」
「乙哉!なんでそう後ろ向きなんだ!俺はお前にどれだけ真剣かどうやって伝えれば満足してくれるんだ」
「言葉でちゃんと言って」
「乙哉!お前が好きだ、恋人として付き合ってください」
「はい!もう浮気しないと約束してくれる?」
「浮気っていつしたよ。お前と知り合ってからはお前しか見てないけど………」
「そうなんだ、信じる」
「お前こそさっきはアイドルなんかによそ見したくせに」
「してない!話してただけだろ」
「俺以外見るのも禁止な」
「光輔………話するためにホテルに来たの?」
「お前が変なこと言いだすからだろ、話すためにホテルに来るか?今夜は朝までお前を抱くぞ」
「俺………初めてなんだけど………」
「俺に任せろ、天国の入り口ぐらいは見せてやる」
「入り口だけ?」
「最初から中までは見せられないな」
「そうなんだ………」
「乙哉………もうしゃべるな」
そう言うと光輔はいきなり、乙哉を抱き上げベッドへ運んだ。
「待って………お風呂!」
「もう待てない………風呂は後でいい」
「いいの?風呂とかシャワーとかしてからじゃないの?」
「乙哉!もう喋るな!」
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