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翌日の快感
薄く目を開けると隣に光輔が居た、頭の下には光輔の腕、横向きの身体をもう片方の腕で抱きしめられ身動きできない。
高校時代に買ったベッドは今にも壊れそうで、身じろぐと二人分の体重でミシミシと軋み不快な音がした。
光輔の腕を外しゆっくりベッドから降りた、全身がヅキヅキと痛む!
1階へ降りてシャワーを浴びて、昨夜の痕跡を洗い流す。
洗面所の鏡に映る自分を見ると、全身に紅い斑点が散りばめられていた。
首はもちろん内股にも淫らな紅い花が咲いていた。
身体中が熱を持ったように火照り出す。
服を着てキッチンへ行って、冷蔵庫から冷たい水を飲む。
喉から全身に冷たさが広がっていく。
朝食の準備をして、二階へ上がるとまだ光輔は眠っていた。
ベッドに腰掛け、光輔に顔を近づけて唇にキスをした。
柔らかな唇を舐め、薄く開いた隙間から舌を入れる。
何も知らない光輔を犯しているような気持ちになって、ベッドに上がり布団の中に手を入れた。
寝ているはずの光輔のペニスは大きく勃起していた、手で掴んで上下に扱く!
寝ている光輔の眉間に皺がよった。
「寝たふり?」
「・・・・・もっと」
「もう・・・・・いつから起きてた?」
「キスした時から」
「なんだ!寝たふりすんな」
「乙哉がキスしてくるからだろ、起きたらもったいない」
光輔の手が乙哉の首に掛かる、引き寄せられてキスをした、侵入した舌が絡み合い、お互いの舌にしゃぶりつく!
「天国に行けたか?」
「うん」
「どうだった?」
「光輔・・・・・」
優しい言葉と甘い声に胸がキュンと熱くなる、涙が滲んで溢れ出した。
悲しい訳でもないのに、胸がいっぱいで光輔の胸に顔を伏せしがみついた。
「乙哉!どうした?泣くな」
「光輔!ずっとそばにいてくれる?」
「アァ、お前を置いて何処へも行かない。ずっと一緒だ」
「光輔!愛してる」
「俺も愛してる」
光輔がシャワーを浴びて出てくる、バスタオルを腰に巻いて、上半身を見せつける。
胸筋も腹筋も美しく鍛え上げられ、同じ男でも見惚れてしまう。
「光輔!服着て」
「なんで?」
「朝ごはん食べよう」
「このままじゃダメか?」
「ダメ」
「わかった」
そんなの見せられたままじゃ、食事が喉を通らない!
でも、そんな事を言うと自惚れ男が喜ぶのがわかっているから、わざと嫌なフリをする。
そんな事はとうにバレているから、光輔がニヤリと笑って服を着た。
のんびりとした土曜日の朝の朝食を二人向き合って食べる。
こんな穏やかな幸せが一番好きだと思う!
「光輔、今日はどうする?」
「別に予定はないけど、乙哉は?」
「庭に植える花を買いに行こうかな」
「じゃぁ、一緒に行こう」
「いいの?」
「乙哉と一緒なら何処だっていい」
「こんな週末いいね」
「そうだな、乙哉と出会って良かった」
「ありがとう光輔」
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