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光輔?
成形が終わり、暫くは室での乾燥の為特にやる事は無く、時間を持て余す。
一旦山を降りる事も考えたが、帰ったところで光輔がいるわけでも無く、2週間とは聞いていても、はっきりとした日程は聞いていない。
現地の進捗状況で出張の期間が延びる事もあり得ると話していた。
たとえ伸びたとしても、自分も山へ行けば一月は帰れない、むしろ光輔の出張が長くなってくれた方がいいとさえ思っていた。
朝を迎えても食欲はなく、今日一日やる事もない。
とりあえず作業場へ行き、やる事はないかと考える。
自分が陶芸を始めたのは、普段使いの食器を作りたかったからだと思い出した。
最近は大型の作品ばかりになっている。
壺を乾燥させる間、光輔と自分の為の物を作ろうと思い立った。
急にやる気になって、茶碗やマグカップの制作にかかった。
毎日使う食器、手作りの丹精込めた食器で頂く夕食、朝のコーヒーを入れるマグカップ!
光輔の事も忘れて夢中でろくろを回した。
作業が楽しくて頬が緩んでくるのがわかった。
「楽しそうだな!」
突然の声に驚いて入口を見る、逆光で顔が見えない。
こんな山の中に来る人など居ないのに・・・・・不安になって椅子から立ち上がった。
「だれだ?」
「おい!」
顔の見えない男がこちらへ歩み寄る、不安と恐怖で後ずさる。
「乙哉!」
「・・・・・」
「俺の顔忘れたのか?」
「光輔?・・・・・光輔?」
「なんて顔してんだ」
「だって・・・・・顔が見えない」
「見えない?そうか・・・・・」
男が突然足早に目の前に来た。
「光輔、ほんとに?」
「逢いたかった」
「ミラノは?」
「二階堂に任せて帰ってきた、お前に逢いたくて我慢できなかったんだ。空港から真っ直ぐ来たんだ。乙哉!」
「光輔!僕も逢いたくて堪らなかった」
「ほんとか?それにしては楽しそうな顔してたけど・・・・・」
「あれは、光輔と自分の茶碗作ってたんだ」
「茶碗?」
「そう、食事の時の茶碗とマグカップ作ろうと思って」
「へーいいな、俺にもやらせろ!その前に・・・・・抱かせろ」
「光輔!」
光輔の目が怪しく光る、全身をゾクゾクと痺れが走り抜ける。
光輔の手が背中に周り、強く抱きしめた。
夢にまで見た光輔、硬いけど温かな身体・・・・・抱いて欲しくて身悶え自慰をした。
顔を上げて光輔の顔を見る、目が合い唇が重なる。
早くその手で触って欲しいと目で訴える。
懐かしい唇の感触、舌を絡め激しく貪り合う。
「光輔!待って、手が泥だらけだから・・・・・」
「俺も泥だらけだ、シャワーしよう」
二人作業場から移動して、シャワーを浴びた。
二人の性器は既に猛っている、泡を付けお互いの全身を撫で回す。
それだけで快感にふるえ、勃ち上がったペニスから白濁が散った。
達った後もまだ萎えない性器、二人分の性器を掴み光輔が扱いた。
快感で膝が震え光輔に縋りつく、二度目の射精で身体から力が抜け座り込んだ。
「乙哉!ベッドに行こう」
光輔が抱き上げ、バスタオルで包んだ。
そのままベッドへ運ばれる。
光輔の首にしがみついたまま、光輔の首に顔を伏せ懐かしい匂いを嗅いだ。
嬉しさで胸がいっぱいで涙が溢れ、光輔にしがみつく手に力を込めた。
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