練習...?

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練習...?

改めて横並びに座り直す。 「それじゃあ、もう一度手を握ってもらっていいですか」 「こう?」 「そうじゃなくて。さっきみたいに」 「こ、こう?」 「そうです」 「でもこれ、恋人つなぎ?っていうんじゃないかな。それに...ちょっと触れすぎっていうか...」 「でも、これの方が練習になると思うから」 「でもおじさんはこういうの、ちょっと恥ずかしいよ」 「沢山さんでも照れることあるんですね」 「そりゃそうだよ。...それに理沙さんみたいな若い子となんて...。ちょっと刺激が強いかな」 視線を彷徨(さまよ)わせる沢山さんを見て、もうちょっと寄っていいですかとたずねた。 「えっ。だ、だめだよ」と言う言葉を聞かずに体を寄せると汗ばんだ沢山さんの体臭に包まれた。 太ももと太ももが触れる。 胸にも少し触れただろうか。 触れているところがすごく熱くて、心臓と心臓がくっついたかと思うほど、どくどくと鼓動が響いている。 居心地悪そうな沢村さんの腕を引き寄せる。 「だ、だめだよ」 「練習...です」 「で、でもこれ以上は...」 「どうしてだめなんですか?」 「だ、だって。そ、それに。ほ、ほら。もう大丈夫なんじゃないかな。こんなにくっついても大丈夫なんだから」 「沢山さん...。だからだと思います。沢山さんだから」
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