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退学
私の通っていた高校は田舎の、どう贔屓目に言っても下の上だった。
でも憧れていた大学に行くことをどうしても諦められなくて、親に頼み込んで浪人した。
パパは女の子はそこまですることはないと反対したけど、ママはそんなこと言うのはもう時代遅れだとパパを説得してくれた。パパは十歳年下のママのことが大好きで、ママにはとても弱い。
確かにママは娘の私から見てもとても綺麗でその上愛嬌もあって、昔から自慢のママだった。
喫茶店で働いていたママを見初めたパパが猛烈にアタックしたらしいけど、それでもなんでママはパパと結婚したんだろうと思う。
きっとモテただろうに。
その時ママはまだ19歳でうぶだったから騙されたんだってよく言ってるけど。
ただ惜しいことに私はママに似てなくて、パパ似の丸顔だ。ママの容姿はすべてお兄ちゃんに持っていかれた。でもお兄ちゃんは昔から人に興味がなくて家でゲームばかりしている。イケメンなのに彼女の一人も連れてこないとママはいつも嘆いているけど、本人は知らん顔だ。
でも私はこの丸顔は実は嫌いじゃない。
女は愛嬌って言うし、その点は存分にママの血をひいていると思っている。
高校の時は積極的に自分からアタックして常に彼氏はいたし、今まで断られたことはないんだから。
でも浪人している間は真面目に予備校に通って、大学にはいるまではと勉強だけに専念していた。
だから憧れていた大学に受かったこととで浮かれてたんだと思う。
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