退学

2/2
前へ
/72ページ
次へ
ただ彼氏が出来たらいいなって思ってただけなのに。 気合いを入れて露出の多い服装で行った私が悪かったのだろうか。 こんなことならいっそ大学になんて行かなきゃよかったと、一気に大学生活が色褪せて、しばらくは部屋を出るのさえ怖くなった。 今はだぼっとしたゆるい服しか着ていない。 スカートを履かなくなった私を見てママはどうしたのかと聞いてきたけど、趣味が変わったのと言うと、そんなもんなのかとそれ以上は何も聞いてこなかったからホッとした。 でも大学を辞めたいと言った時には、あんなに頑張って入ったのにどうしてとしつこく理由を聞かれた。 憧れてただけでやりたいことじゃなかったのが分かったからと言っても、せめて卒業くらいはしなさいとなかなか許してくれなかった。 怒ると思っていたパパは、でも何も言わずに許してくれたから、最後はママも諦めたようにため息をついていた。 お金を出してくれた両親には悪かったと思うけど、耐えられなくなった。 男の人にというより、友だちと思っていた女の子の陰口に。
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加