おまじないの神様

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         ◯  彼からの返事は実にあっさりとしたもので、  ——うん、いいよ。  と、二つ返事で了承してもらえた。  思えば普段から誰にでも優しい彼のことだ。  クラスメイトの女の子に頼まれれば、こうして簡単にOKを出すのも当たり前のことだったのかもしれない。  ただし一つだけ、厄介なことがあった。  ——次の土曜日は用事があるから、日曜日か、別の日でもいい?  彼は今週の土曜日には用事があると言っていた。  てっきり男友達と遊ぶか、あるいは佐々木先輩とのデートの約束があるのかと思ったのだけれど、  ——土曜日は、結衣ちゃんと遊ぶ約束をしてるんだ。  彼の口から出た名前に、私はどこか裏切られたような気持ちになった。  
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