おまじないの神様

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   クラスメイトの(かのう)くんは、この高校で一番の人気者だ。  イケメンで優しくて、勉強もスポーツもできて、朗らかに笑う顔は太陽のように眩しい。  誰にでも分け隔てなく接する彼の人気は女子だけに留まらず、一部の男子や教師、果ては保護者までをも虜にしてしまう。  誰もがみんな彼に夢中だった。  もちろん、私だって例外じゃない。 「ねえねえ、聞いた? 三年の佐々木(ささき)先輩、今度叶くんとデートするらしいよ」  同じクラスの結衣(ゆい)が言った。  ええっ、とその場にどよめきが起こる。  私を含めた女子三人が、目の色を変えて結衣に詰め寄った。 「佐々木先輩って、あのお嬢様でしょ? 美人だけど周りから浮いてるっていうか、なんていうか……そういう付き合いとかは全然しなさそうなのに」 「ほんと! 男子とつるむどころか女友達と遊んでるところすら見たことないよ。家が厳しいとかで、部活にも入ってないんでしょ? そんな人がどうやって叶くんと……」  
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