雨よ降れ

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 私、人間に向いていない。生きづらい。来世は植物がなにかでいいや。わずらわしいこと、考えなくていいもん。  ああ、明日のことも、考えるだけで憂鬱だ。ただでさえ学校は苦手なのに、明日は体育祭だ。うちの高校は体育祭の予備日なんてないから、体育祭の当日に雨さえ降れば、中止だ。  どんくさい私は、当然体育祭の中止を願っていた。  雨よ降れ。  ベタに逆さまのてるてる坊主を窓際に吊るして、布団に入った。  明日は、晴れて嫌々体育祭に参加するか、雨が降って家でのんびり過ごすか。その二択だと信じていた。  今思えば、私は甘かった。明日が必ず来るものと信じて疑わなかった。  しかし、私に明日はなかった。  私はそれから目覚めることなく、あっけなく死んでしまった。    
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