綺麗すぎるものが苦手だった。

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綺麗すぎるものが苦手だった。

 昔から、綺麗なものが苦手だった。 「先生、真白(ましろ)ちゃんは?」  綺麗な声。 「真白ちゃん」  綺麗な髪。 「どうしたの?」  綺麗な瞳。 「みんなと桜の木、見に行こう?」  綺麗な指。 「行きたくない……」 「桜の木、嫌い?」 「うん……」  綺麗な花。 「私も真白ちゃんと一緒にいる」 「え?」  綺麗な笑顔。 「真白ちゃんと一緒がいいから」  綺麗すぎる、彼女。
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