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翌週出勤すると「鳴海さん、彼女さんにプロポーズしたんですって?」と後輩が声をかけてきた。嫌な予感しかしない。
「何故それを?」
「三課の係長が駅で見たって言ってました…鳴海さんそんな公共の場でプロポーズしたんですか?見かけによらず大胆ですね…」
「いや、それには理由が…」
マジかー…見られてたとか恥ずかしー…
「それはいいとして…」
あ、そこそれ以上突っ込まないんだ・・・
別にいいけど…
「プロポーズが済んだなら、次はご両親への挨拶ですね?…俺、考えるだけで吐きそう…」
!!!!!!
ご両親へのご挨拶・・・
うん、わかっていたよ…考えたくなかっただけでね…
次なる試練…
「鳴海さん”お父さんをお嫁に下さい”だなんて、間違っても言わないでくださいよ?」
「わぁーやめろー!フラグじゃねーか…コワッ!」
「鳴海さん、やりかねないなー…」
「うぐぐ…」
大丈夫だよな?
お前なんかに娘はやらーんってちゃぶ台ひっくり返されたらどうしよう…
二度とうちの敷居をまたぐなーって追い返されたらどうしよう…
あ、胃が痛い…
どうか、無事に挨拶が終えられますように…
俺の心が休まる日はまだまだ先になりそうだ。
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