待ちわびた雨

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 13  あめあめ、ふれふれ、かあさんが……  視界にとらえた二つの光が大きくなる。事前に手配したタクシーだ。乗り込んだ私に運転手が行先を尋ねた。 「お客さん、どちらまで?」 「駅にお願いします。ここにはもう、やり残した仕事がないから」  迎えにきてくれる家族がいなくても、私は一人で生きていく。  了
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