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「私は巫女などいらん」
「では、私をイケニエに!」
「イケニエの押し売りもいらん!」
「では、私を花嫁に!」
「ますますいらん!」
お断りする! と麗しき龍神様は言う。
ですよね~。
「でも、このままでは、私は、もうここにはいないヌシ様のイケニエにされます。
ヌシ様がいないと言ったところで、信じてはもらえないからです。
誰も受け取ってくれないのにイケニエとか、無駄死にではないですかっ」
「だが、人間は自らの都合で殺したものを祀る習慣がある。
きっと、お前のことも、のちの世まで大事に祀ってくれるであろうよ」
いや、祀ってくれたら、なんだというのです。
神様の感覚、わからない、と思いながら、ヒナは聞いていた。
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