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龍神様は龍神様になった。
人型から、龍の形になったのだ。
銀色のウロコを持つ龍の背に乗り、ヒナは空を飛ぶ。
高いっ。
風が強いっ。
星が綺麗っ。
「ツノをつかむなっ」
「だって、持つとこないんですっ」
「私に抱きつけばいいだろうっ」
「それは照れますっ」
と風を避けるように身を屈めながら叫ぶと、龍神様は沈黙した。
「……照れるのか」
「照れるんです」
そう呟きあったとき、森の切れ目から、走っている姉、シノの姿が見えた。
「おねーさまーっ」
と空から呼びかけると、姉は、ぎょっとしたようにこちらを見上げる。
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