巫女の姉が逃げたので、代わりに雨を降らしに行ってきます

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「ヒナッ。  なにやってんのよ、あんたっ」 「お姉様っ。  隣村は、そっちじゃなくて、あっちですよー」 と西の方を指差す。 「そんな近くじゃ捕まっちゃうじゃないのっ。  っていうか、あんた、ほんとうに巫女様だったのね?」 「いえいえー、そういうわけではー」 と龍の背にまたがったまま、ヒナは言う。 「淵に行ったら、ヌシ様はもういらっしゃらず。  代わりに、龍神様がいらっしゃったので、押しかけ巫女になろうとしたんですけど。  断られちゃってー。  今、頼み込んで移動させてもらってるところですー」 「……相変わらず、神経太いわね」
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