巫女の姉が逃げたので、代わりに雨を降らしに行ってきます

19/31
前へ
/31ページ
次へ
「村に戻られたらどうですかー?」 「冗談じゃない。  殺されるわ。  いい思いだけして、あんたに後始末させるようなやつ、みんな、よく思ってないに決まってる。  あんたはもう知ってしまったんでしょう?  私はもうとっくの昔にヌシ様の巫女ではなくなっていたのよ。  ヌシ様がいなくなってしまったから」 「聞きましたー。  だから、お姉様、ほんとうにすごいなって思って」 「なにがよっ」 「みんなに知らせないでいてくれたんですよね?  ヌシ様がもういないこと」  姉は黙る。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

518人が本棚に入れています
本棚に追加