巫女の姉が逃げたので、代わりに雨を降らしに行ってきます

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「大事なのは、なにかが守ってくれていると信じることです。  お姉様は、ずっとヌシ様がいるフリをして。  祭りを盛り上げたり、みんなを鼓舞しつづけてくれていた」  村人を守るものはもういない。  その事実をひとり、胸に隠しつづけて――。  おかげでみんな、ヌシ様が、村を守ってくださっていると信じ。  大きな安心感の中で、暮らすことができた。 「あんたがいるから、大丈夫よー」  下から姉が言ってきた。
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